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素晴らしいコーヒーのスタートは、生産者たちです。彼らは家族で何世代にも渡り、最高のコーヒーを栽培する為に取り組んでいます。植樹から収穫するまでの数年間、標高や気候など様々な厳しい条件の中でコーヒーチェリーを栽培します。

コーヒーチェリーの成熟が進み収穫期に入りますが、一本の木に実るコーヒーチェリーは熟度が揃っていません。つまり良質なコーヒーを作る為には成熟したものだけを手摘みする必要があります。彼らは「Picker(ピッカー)」と呼ばれ、農家は収穫時期に高品質なコーヒーを生産する為に、季節労働である優秀なピッカーを確保する必要があります。年々ピッカーが減少している現在では、農園同士で取り合いになる事も多く、それぞれがピッカーを確保する為に労働環境などを整えます。その中には、賃金をはじめ子どもの学校併設などの環境整備も比較対象に含まれます。

そしてピッカーが選別・収穫したコーヒーチェリーだけが精製工程へと移り、乾燥を終えたコーヒーは種子を取り出され「コーヒー生豆」となります。

農園主は家族から代々受け継がれた土地で、生産技術・品質の向上に取り組んでおり、最高品質のコーヒーを生産する事に人生を捧げています。

一人一人の手が育む素晴らしいコーヒーは、私たちの手元に至るまで多様な物語を持ちます。

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コーヒー豆の選定は、専門知識と鋭い味覚を持ったロースター・専門家によってカッピングという全世界共通の抽出で買い付けが行われます。SCAが定める国際基準を基に評価し、総合80pt以上の得点を付けられたコーヒー豆のみが「スペシャルティコーヒ一」となり、品質本位の価格交渉の対象となります。Fragrance/AromaやAftertaste、Acidity などの10項目と欠点豆の混入が極めて少ない事を評価しますが、そこにコーヒー生豆が本来持ち合わせていない Bitterness(苦さ) の評価はありません。

買い付けたコーヒー生豆は、焙煎工程を経て液体として抽出が可能となる「焙煎豆」へとなります。

コーヒー豆が本来持ち合わせる果実のような香りや酸味、甘味などを苦味に変えず焙煎する為には、必然的に「Light Roast (浅煎り)」となり、この事は世界基準として提唱されています。ただ「浅煎りにすれば良し」ではなく、テイスト・フレーバーが最も綺麗に構築されるポイントを目指し検証に検証を重ねます。また生豆がいくら高品質でも、適切な焙煎がされない場合は、スペシャルティコーヒーの定義から外れる事となります。

ロースターは、コーヒー豆が持つテイストを最大限に引き出す為に高度な専門的な知識と経験を必要とし、カッピングなどの抽出で検証を繰り返し、最高のアプローチへと日々取り組んでいます。

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生産地から焙煎に至るまでの、それぞれのフェーズで厳しい品質管理が行われてきましたが、抽出が適切に行われない事にはスペシャルティコーヒーとして消費者に渡りません。バリスタは、それらのコーヒー豆が辿ってきた道筋と向き合い、どの抽出方法がポテンシャルを最大に表現出来るか高度な抽出技術と知識を必要とします。スペシャルティコーヒーが適切に抽出をされていない場合、コーヒー豆が持つ本来の風味が失われている可能性があります。それはスペシャルティコーヒーの定義から外れる事となります。

バリスタには農園からの道筋を最終地点、すなわち消費者へと手渡す責務があります。

こうして抽出を終えたカップ(一杯)がはじめて「スペシャルティコーヒー」というコーヒーとして手元に届けられます。

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一杯のスペシャルティコーヒーとして、コーヒーの物語を完結させるのは消費者、すなわち飲み手です。バリスタの手から受け取るカップは、「コーヒー」となるまでに携わった人々の情熱を口に入れると同時に感じられます。単に「飲むコーヒー」ではなく、「味わうコーヒー」になるのです。またスペシャルティコーヒーは、品質の最高水準への取り組みだけではなく、その過程で貢献した全ての人の生活水準向上への取り組みでもあります。そして、それらを楽しむ消費者の日常を豊かにし、サステイナビリティを完成させます。

一杯のコーヒーは、遠い土地から人の手が繋ぎ合わせてきた努力と情熱、それらの結晶そのものです。
Raw Sugar Roastは、このようなスペシャルティコーヒーを浸透させる為に取り組んで参ります。

Cafe &
Roastery
Raw Sugar Roast
3-9-4 Miyasaka,
Setagaya-ku, Tokyo 156-0051